#27 水に書いた約束
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「君は順当に自らの有用性を証明している。」
ゆっくりと歩み寄ってきた局長が、すぐ隣でその足を止める。
「だが、爪の甘さも否めない」との言葉と共に伸びてきた手が、ドミネーターを構える自分のそれに添えられる。
<執行モード、ノンリーサル――認証――パラライザー。リ、リーサル・はいじょ>
「!?」
まるで生き物が悶えるように掌の中で変貌を遂げたドミネーターに、息を呑む。
「さぁ、宜野座くん。」
吐息の感じ取れる距離から届くその、声に。
「君の責任者としての采配を、情に流されない決断力を私にみせてくれないか?」
呆然としたまま見つめ続けるその先で、同じ様にこちらを見つめていた狡噛の視線が、逸れる。
その口元が微かに歪んで、笑みともつかない笑みを形作る。
瞬間――
伸びた斜線が、空間を貫く。
「!」
もんどりうった長身が、派手な音を立てて床に倒れこむ。
「犯罪係数300以下の人間には、パラライザーモードが適用されます。」
柔らかな面差しから完全に表情を取り去った常守が
「宜野座さん。そのドミネーター故障してますよ、すぐメンテナンスに出さないと。」
こちらを向いて言った。
「…あ、ああ…。」