#27 水に書いた約束
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強すぎる光に咄嗟に、目を庇う。
<コードK32に基づく特殊事例です。狡噛慎也執行官の身柄を拘束します。>
「な――!?」
目を見開いた青柳達と自分との間に、たちまちにドローンが入り込む。
「こんな小賢しい計略で出し抜けると思ったなら、舐められたものだな。私も。」
「アンタがそこまで熱烈な俺のファンだったとは意外だよ、禾生局長。」
進み出てきた初老の女性に視線を投げると、読み取りがたい感情を宿した眼差しに出会う。
「ここで減らず口を叩ける君の精神構造は全くもって、理解に苦しむな。」
「局長!説明させて下さい、これは――「いいや?説明には及ばない。」
「宜野座くん。ここは口を開く程墓穴を掘る局面ではないかね?」
駆け寄ってきたギノと常守が、顔を青くしてこちらを見る。
「個人の裁量による判断も、必ずしも咎めるべきものとは限らない。要は満足いく結果さえ伴えばいいのだ。評価の基準はそれだけだ。だからこそ危険な賭けに打って出る際は、引き際の判断が重要になる。自らの不始末をどれだけ速やかに、断固たる態度で清算出来るか…。」
自分を眺めていた視線が、流れる。
「さて、宜野座監視官。君の監視下にある執行官が今重大な背任を犯そうとしているワケだが、この場面にどう対処する?愚にもつかない弁明をただ並び立てるより、もっと明晰で非の打ち所の無い決断力を示すことは出来るかな?」
ひとつ目を閉じたギノが、ドミネーターを取り出す。
<犯罪係数、265。刑事課登録執行官。任意執行対象です。>
「うん、結構。」
銃口の向こうのその目を、見つめ返した