#27 水に書いた約束
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「佐々山と寝たの?」
思わず目を向けると、無感動な眼差しとかち合う。
「随分と踏み込んだ質問だな。」
「寝たんだ」と同じく手にしていた缶コーヒーを喉に流し込むその横顔から視線を、引き剥がす。
「どうだった?」
「……女と話してる気がしないな。」
控え目な不快と嘲笑とを含めたつもりで言ってみても、効果は見られず。
「良かった?」
「…まぁ」と半ば自棄になって口にして目を閉じ、壁に頭を預ける。
「………部屋に鍵かけて、ずっと閉じ込めときたい気分には、なった。」
「セクサロイドって事?」
「そんないいモンじゃない。」
――狡噛さん
窓の無いあの部屋で初めて、朝を感じた。
「………愛してくれなくていい…憎んでくれたっていい。要はただ…ただ俺だけを想って、生きて欲しいと思った。それだけだ。」
生まれたばかりの朝の、風を。
「………ロマンチックと言うよりアブノーマルの域に達してる。けど、嫌いじゃない。」
真面目な顔で前を見たまま言うのを横目で見て、口を開く。
「………そりゃどぉも。」
意外と悪くない沈黙を、シグナルが割った。