#27 水に書いた約束
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「そういう知恵は俺よりもお前の方が回ると思ってたんだがな。」
「きっと、年の功ってやつだろう。」
そう言って眼鏡をかけ直す横顔を見ながら、思う。
本人は嫌がるだろうがとてもよく、似ている。
当たり前と言えば、当たり前なのだろうその事はだが、自分にとっては紛れもなく。
「……光ちゃんについては。」
「特に言及はなかった。仄めかすような発言もないではなかったが…」
言葉を切った伸元が、視線を固定する。
「アイツは絶対に生きてまだ、どこかにいる。必ず槙島の首を狙ってくる筈だ。」
過激な発言とは裏腹にゆっくりと、しなやかに強くなっていく目の力は一体
「アイツを捜し出すのにも、槙島を捕らえる上でも、やはり狡噛の戦力は欠かせない。」
誰から習ったものなのか。
「飼い主の手を噛む犬でも、か?」
「こと槙島がらみとなると、狡噛ほど鼻の効く猟犬はいない。」
唐突に零れたため息に、目を瞬く。
「アンタがよく口にする、刑事の勘…結局、俺が持ち合わせる事のなかった才能だ。」
がしかし、本人はそれに気づいている風もなかった。
「…だが任務から外せというのは局長命令だろう。」
「檻の外にさえ出してしまえばこっちのモンだ。後は…どういう口実をでっち上げるかだが…。」