#27 水に書いた約束
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真っ直ぐに見上げてくるのから視線を外し、エレベーターのボタンを軽く叩く。
「…なら、法の外側にいる人間に、何をどうすれば収まりがつくと思う?」
「今回ばかりは特例措置で、もう一度昔の制度に立ち戻るしかないでしょう。起訴して法廷を開いて、弁護もさせて。その上で量刑をするしかないのでは。」
「気の遠くなる話だな。お膳立てにどれだけ時間がかかるコトやら。」
笑ったような息が零れ、目を伏せる。
「でも、他に方法なんて…」
「あっただろ。もっと手っ取り早く、誰の迷惑にもならない方法が。」
――貴方に貴方の”正義”があるように私にも、私の”正義”がある。
この台詞に多分自分は相当、参っている。
だがそれでも
「あの時、槙島を殺しておけば良かった。アンタが手を下すのではなく、俺が最後の止めを刺せば…。」
この感情が正しくないとは思えない。
そしてそれを悪いと思う事も出来ない。
例え、気が狂いそうなくらいの息苦しさを抱いていたとしても。
「…監視官のアンタに人殺しはさせられない。が、執行官の俺には失うモノなんて何もない。そういうチームワークなんだ。」
開いたドアに向かって歩き出しながら、ふと。
「俺だって猟犬の面目躍如さ。」
同じ様に思っていたのだろうか
お前も。