#27 水に書いた約束
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「現時点をもって、佐々山と縢の捜査は二係に移譲。我々一係は槙島聖護の追跡を担当する。」
どこか白けたような、空気の薄い大部屋内でファンだけがいつも通り無遠慮に回り続けている。
光ちゃんと縢くんがいないというその事実さえまるで、この場の一部になってしまっているようだった。
「狡噛執行官は、公安局に残れ。唐之杜分析官と共に我々のバックアップを担当してもらう。これは局長命令だ。」
目を見開き、顔を上げる。
「なぁ…」
意外にも穏やかな声で口を開いた狡噛さんがポケットから、煙草を取り出す。
「局長命令で俺を外せなんて、妙な話だと思わないか。」
ややあって昇った紫煙が、細くたなびく。
「ただでさえ足りない人員をさらに削る?有り得んだろう。」
「………」
「何より重要なのは槙島の安全で、ヤツの再犯を阻止するのは二の次ってコトだ。そいつはもう、逮捕とは言わない。身柄の保護とでも言い直すべきだろう。」
その眼光に、不穏な光が灯るのを
「上の連中は、槙島を裁くつもりがない。もし仮に俺達がまたヤツを捕まえてきても、局長は何か別の目的に利用しようとしている。」
輝度が増していくのを、ただ。
「違うか?」
それではダメなのだと、分かっているのに。
私にはまた、どうしようも出来ない。