#27 水に書いた約束
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首都高速道路上、未だ消火活動の続く現場に近づいていく。
公安局のティルトローター機を遠巻きに囲むようにして、ドローンが封鎖陣を敷いている。
「あれか…。」
歩を早めた宜野座さんの背中とその向こう側にやっていた目が、事故機から運び出されていく担架を捉える。
シーツの裾から飛び出た二本の脚。
「そこを退け。」
<刑事課一係、宜野座監視官。該当する情報適格性はありません。立ち入りを禁じます。>
「何だと…!?」
眉を顰めて起動したデバイスに示される、コードK32の表示。
機密区分――?
流し見た文章の中、先程運び出された遺体の情報を半ば無意識に探す。
だが。
「………」
不快な滞りに口を開こうとした時。
滑るように区画に入ってきた一台の黒塗りの要人移送車に、全員の視線が向く。
見守る内、対戦車ライフルの直撃にも耐えうる装甲材のドアが開いて中にいた人物が路上に降り立つ。
「説明は私がしよう。」
「…局長…」
なんて光景にそぐわない無機質な人間なのだろうと、思った。