#26 鉄の腸
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<おいギノ!>
暗い部屋に射し込む、鉄格子に区切られた光。
その上に座っていた黒猫が突然の大声に、ピンッと尻尾を立ててこちらを見る。
<一体何があった…!?>
「お前……どこでそれを…」
香水瓶や化粧品類で飾り立てられた鏡台の、裏側。
この家で恐らく唯一ホロが使用されていた場所。
<どうなんだ!!>
コルクボードに張られた見覚えのある数枚の色褪せた写真に、几帳面にファイリングされた捜査資料。
室内の丁度と完全にミスマッチな回転椅子に腰を下ろし、くしゃりと前髪を掴む。
「まだ確認はとれていないが、槙島を乗せた輸送機が墜落したらしい…。」
どうして
「……すまない……」
誰に対しての謝罪なのかは自分でも、分からなかった。
気づいてやれなかった、だけど。
上げた視線の先に在る、一枚。
未だに直視する事すらままならない自分に、一体、何が出来ただろう。
して、やれただろう。
「…佐々山…」
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