#26 鉄の腸
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「ああ。こうしてシビュラシステムの一員に加えられたのさ。初めは戸惑ったがね、すぐにその素晴らしさが理解出来た…。他者の脳と認識を共有し、理解力と判断力を拡張される事の全能感…!神話に登場する預言者の気分だよ。何もかもが自分の支配下に感じる…!」
生命の檻――パノプティコンとも呼ぶべき、この都市。
意思に嵌められた枷そして
外せば曇る、心。
「ヒト一人の肉体が獲得し得る快楽には限度がある。だが知性がもたらす快楽は無限だ。聖護くん、君なら理解出来るんじゃないか?」
唐突に水を向けられ、そちらへと視線を流す。
「そうだな……。想像に難くないところではある。」
ゆっくりと
「僕も君もこの矛盾に満ちた世界で孤立し迫害されてきた。だがもうそれを嘆く必要はない。」
ゆっくりと水底に向かって遠く沈んでいく、街。
「僕達は共に運命として課された使命の崇高さを誇るべきなんだ。君もまた、然るべき地位を手に入れる時が来たんだ。」
――……この街にパスカルを読む人がいるなんて、意外
繰り返し死んでは明日へと巻き戻っていく夜を迎えて見つめる、横顔に
「…つまり僕もまた、シビュラシステムの一員になれ、と?」
「君の知性、深遠なる洞察力…それはシビュラシステムの更なる進化の為に我々が求めてやまないものだ。強引な手段で君をシステムの一員に取り込む事は出来なくはないが、意思に基づいた行動のみが価値を持つと、いうのは君の言葉だったよね?」
波打つ碧の淵を満たす、光の色を、見たと思った。
「君ならば僕の説明を理解した上で、同意してくれると判断したんだ。」