#26 鉄の腸
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「ノナタワーからここまで20Kmはある…」
市民からの通報を受けて急行した廃棄区画で待っていたのは、一台の執行銃。
「いくら暴動の混乱後とはいえ、一回もカメラチェックに引っかからないなんて事があるのか?」
「ドミネーターは間違いなく縢の物です。かなりひどく損傷してます…内臓GPSも、機能していない。」
その言から推測し得る結論に、思考を巡らせる。
「自分で壊した…?追跡を逃れる為に?」
「あるいは、そう思わせたい誰かの偽装工作。」
のっそりと腰を上げた征陸の顔は、いつになく険しい。
「縢はロクでなしだったが、バカじゃなかったし命知らずでもなかった。仮に俺が逃げても、こんな所にドミネーターを捨てたりはしない。それにこれは推測…っつーより憶測に過ぎないが、アイツは光ちゃんをこの状況下で放ったりはしないだろう。」
「良いカモフラージュになるから?」
「人質ってコトか?あの娘が大人しくそんなモンになるようなタマかね。」
「…でもじゃあ仮に逃亡ではないとしたら?ドミネーターを捨ててく意味がなくなる…。」
「だから”ない”んだ。プロファイルにかけるまでもない。一番可能性が高いのは、誰かが何らかの事情で縢のドミネーターをここへ捨てた、って事になる。」
野次馬の方に視線を投げると、その足元を黒い何かが過ぎったように見えた。
「……黒……」
「あ?」
踵を返し、覆面パトカーに乗り込む。
「おい、伸元?」