#26 鉄の腸
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ドンッと響いた音が、広大な空間に木霊す。
「ここからアイツ等がどう消えるって言うんだ…!」
打ちっぱなしの無機質なコンクリート壁で囲まれた、制御区画。
唐之杜さんが二人をフォロー出来ていた、最後の場所。
「………」
僅かな光源に落ちた自分の影を、見つめる。
「縢はどんなにテンパっても、逃げたりはしない。どんな時でも自分が生き残る計算が出来る男だ。だから…!」
吐き捨てるような口調はでも、いつになく切羽詰まっている。
「…必ず、一緒にいる筈です」と口にすると、その目がこちらを向くのが分かった。
「縢くん、言ってました。ちゃんと守ってくれるって。」
意固地な声音に我ながら、呆れてしまう。
だって
そう言ってたんだもん。
言って、くれたんじゃない。
「消えたのは、アイツ等自身の意志じゃない。」
「だったら拉致…誘拐……?」
「それとも死体も残らないような殺し方か…。例えばドミネーターのデコンポーザーとかなァ…!」
狡噛さんの歯軋りに、端末の着信音が重なる。
「はい、常守です。」