#26 鉄の腸
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「ふざけるな!!」
怒声と共に立てられたデスクを打つ音に、振り返る。
「納得のいく説明をしろ!」
「執行官が偉そうに何様のつもりだ!」
「そんな立場の話をしている場合か!俺達が逮捕したのに、取り調べも許されないなんておかしいだろう!!」
「俺が決めた事じゃない。」
見ていたホログラムを閉じた宜野座さんが一度上げた視線を、下げる。
「文句があるなら…」
「文句があるなら局長に直接言え、か?執行官の俺が局長に会えるワケないだろう!実際に乗り込んで行ったら困るのはお前だ、監視官。」
俯き続けるその横顔に、狡噛さんが背を向ける。
「………」
そのまま無言で席に戻る背中を見ながら、眉を下げるしかない。
「どうなるんですか、コレ。」
「どうにもならないんじゃないかしら」というのべつ幕無しないつも通りの返答に、更に。
「とにかく!こっちは佐々山と縢の捜索に全力を投入する。アイツ等…特に縢の行動によっては、別の意味で公安局の命取りになりかねない。」
主のいない、二つのデスク。
お菓子やゲーム機、フィギュアの散らかった縢くんのデスクとは対照的に綺麗に整頓された、ペン1本すら転がっていない光ちゃんのデスク。
「………」
まるで最初から、誰もいなかったみたいに。