#25 裁きの門
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「…っ光ちゃん、大丈夫?」
血の流れ続ける腕を押さえついでに漏れ出そうになる苦鳴も堪えて、振り返る。
『…ん……』
破れたレイドジャケットの下の白シャツを、割と広範囲で染めている赤。
だけどその傷口は多分炭化しているから、それ以上の失血の心配はないだろう。
『縢くんこそ』と力なく笑うのに返して、前を向く。
ここを出たらすぐに、ラボに連れて行かなくては。
いくら彼女でも、人間一人殺めてその精神をクリアに保てるワケがない。
――縢くんっ!!!
悲鳴のような絶叫と共に振るわれたナイフの軌跡と、刹那その瞳を染めたアカに過ぎる暗い予想を、振り払う。
大丈夫。
もしそうなってしまっていたとしても、きっと唐之杜が何とかしてくれる。
と、唐突に目を灼く光源が前方に現れる。
コントロールパネルに繋がったままのノートパソコンの向こうに立つ人影に目を凝らしながら、歩を進める。
「…………何なんだ、こりゃ…………」
言葉を失って見開いた目に映る、異様な光景。
「コイツが…シビュラシステムの正体だ…!」
”ソレ”に携帯端末を向けていた男が、箍が外れたような声を上げる。
「この手でブチ壊すまでもねェ…コイツを世間に公表すれば、この国はお終いだ!今度こそ本当に暴動が起きる!!もう誰にも止められねェ…!!!」