#25 裁きの門
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倒れた槙島の後頭部に、ヘルメットを振り上げる。
その重ささえ支えきれずに悲鳴を上げる軟弱な腕に、唇を噛んだ。
「………」
フラッシュバックするように目の前をチラつく、鈍色。
まるで動物か何かのようにあお向けられたゆきの目から、涙が零れ落ちていくのが、視える。
だけどもうその最期の声が、聴こえない。
ああ、違う。
聴こえなく、なってる、もう。
なのに今、妙に耳障りなのは
これは、私の呼吸。
今、生きてる、アタシの音。
「…ッ…う…」
揺らいだ視界に浮かぶ、優しい色
――ゆき。
「ふっ…う――ううっ…う゛…ふっああっ…ふっうう…くっ……」
指先から重力に従って落下したヘルメットが立てた音にひとつ目を閉じ、懐から手錠を取り出す。
「……槙島聖護。」
これが
「貴方を、逮捕します!」
”私”。