#25 裁きの門
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「……ああっ…ぐっ――う、あ゛……」
「思っていたより拍子抜けの結末だが…」
左眼を塗らす血で、視界が利かない。
「それでも、久々に退屈を忘れた。感謝してるよ。」
冷たい音をたてて取り出された剃刀の鈍い光を睨みつけるが、身体が動かない。
それどころか端から薄れていく思考に、軽い足音が振動と共に、響いた。
「ふううッ」
空気を噛むような絶叫に被せて、重い衝撃音が頭蓋に木霊す。
「――狡噛さん!」
膝をついて覗き込んでくる常守に、やっとの思いで口を開く。
「…つねもり…ころせ……」
「!」
見開かれた瞳が大きく揺れて逸れ、倒れ伏しているであろう槙島を向く。
――貴方に貴方の”正義”があるように私にも、私の”正義”がある。
告げられた言葉が、脳裏に蘇る。
こちらを見上げる真っ直ぐで、明るい色。
でも
等しく分けたつもりのその”殺意”が、誰の中にも在る事だって、知っている筈だったろう
お前は。