#25 裁きの門
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関節に肘を突き下ろしながら言うと、その顔が苦悶に歪んだ。
「うあ゛っ」
後退するのを追いかけるように、足払いをかけつつ距離を詰めて攻撃を放ち続ける。
ヒュッと音をたてて空を切った爪先に、狡噛が目を見開く。
身軽さでは自分の方が完全に優位にあるようだ。
「そんなモノは後回しでいいんだよっ」
怒号と共に伸びてきた脚を捕まえ、その身体を引き寄せる。
腹部から喉元を掬い上げるように掌で殴打し、降ってくる呻き声を浴びながら床に投げ倒す。
刹那かち合った視線がこちらの考えを察知し、力任せに右膝裏に絡めていた指を振り解く。
立ち上がった狡噛に向けて降り抜いた足が全てガードされるが、骨越しに響く感触が相手のダメージを知らせてくる。
「ッ」
くり出される拳を避けざま懐に入りながらその腕をとり、力一杯投げ飛ばすが予想通り、すぐに起き上がって向かってくるのに知らず、笑みが零れた。
組み合い、相手の呼吸とひとつ間をズらして腕から力を抜くと均衡が崩れ、鍛え抜かれた狡噛の体がいとも簡単に後ろに転がった自分の上を通過していく。
「ううぐっ――あ……」
床を蹴った勢いを乗せたサッカーボールキックがその即頭部にまともに入り、血飛沫が飛ぶ。
小さく呻く声の合間に響く妙に耳障りなのは、これは
ああ自分の、呼吸か。