#25 裁きの門
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ベルトを抜いて傷口の上部を縛り、応急処置を施していた常守がこちらを振り仰ぐ。
「止血したら後を追います、先に言って下さい。」
「でも、アンタは…」
「槙島を逃がさないで!」
強い意志を込めた大きな瞳が、真っ直ぐに見上げてくるのに
「これは命令です。」
頷く。
一緒になって届く強い、信頼を感じて。
踵を返し、足を踏み出す。
やがて到達した最上階へと続く床板を上げると、白くなった息が後方へと流れた。
気配を感じて流した視線に、糸鋸を引き摺って駆けてくるヘルメット男が映り転がるように前へ。
「――っ!」
振り切られたレーザー刃から鮮血が散り、激痛に歯を食いしばる。
くり出した蹴りをかわした男が一瞬の間を挟んで再び、迫ってくる。
構えたネイルガンのトリガーを躊躇無く引き続けているとその内に、大柄な体が後ろ向きに倒れた。
肩で息をしながらただの工事用具と化したネイルガンを投げ捨て、ドミネーターを握って柱に身を寄せる。
何かが煌いた気がした階段付近に向かって駆け出しながら辺りを探った視界を、鋭利な銀が過ぎり、息を呑む。
向けた銃口はだが、それが当然であるかのようにウンともスンとも言わない。
「――くそっ」