#25 裁きの門
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呆けたようにこちらを見つめていた縢くんから顔を戻し、再び歩き出そうとした、その時。
「――!」
バシュッという音に被せて、体が背後から突き飛ばされる。
何が起こったのかを理解するよりも優に数秒は早く相手の足元に踏み込んだ縢くんの左の小掌打がヘルメット男のネイルガンを弾き、銃口を逸らす。
その衝撃で発射された1本が配管にあたって、小さく火花をあげた。
『縢くんっ』
自分より頭ひとつ分は大きな相手を蹴り飛ばしつつ、密着したままその動きを封じ、剥き出しにさせて喉へ左の肘打ち。
気道を圧迫されたヘルメット男の手から力が抜け、壁を背にずり落ちる。
「……のクソヤローが…――っ」
小さな苦鳴と共に引き抜かれたのは、釘。
『へ、平気…?』
間の抜けた問いを軽く笑われても、咄嗟に何も返せない一瞬をノイズが割った。
顔を見合わせ、倒れた男の懐から通信機を取り出す。
<そっちはどうだ?仕留めたか?>
「残念、返り討ちだぜ。」
応答しかけた自分の口元に手を翳した縢くんの意を悟って、黙する。
<おやおや、やるモンだねぇ。公安局の執行官だろう?と後は…こりゃー意外。佐々山監視官、こっちに来たか。>
「…何者だ、アンタ?」
<ちょっと話をしないか。この地下は大規模な電波暗室になっててね、中にいる俺達しか通信は出来ないようになっている。>