#25 裁きの門
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「選べないヤツだって、いるよ。」
歩みを止めて振り返った光ちゃんの目が、こちらを見る。
なんだってそんなに
誰かさんといい。
いつだって誰かを、真っ直ぐに。
「選べないんだ。何も……最初っから全部、決まってる事は。」
『それは違う。』
喰ってかかっていけないのは理解出来ないからでも、諦めでもない。
ただ
『人は、選択する事が出来る。どんな状況にあっても…どんな、条件があっても。もしかしたら出来るかもしれない事を……可能性を捨てて、自分の為に、誰かの為に。”自分”の元にそれを為すその行為を、”自由”って言うのよ。』
「……自分の為に、それか名前も分かんない誰かの為に……潜在犯で在る事を選んだっての?俺が?」
「シビュラじゃなくて」と続ける自分は今、どんな顔をしているんだろう。
この距離じゃ、到底その瞳を鏡には、出来っこない。
驚く程唐突に、無造作に
『違うよ。』
整ったその顔に浮かんだ幼い笑みに、知らされる。
今までも、きっと、これからも
俺が
『刑事で在る事を、だよ。』
”俺”で在る事を。