#25 裁きの門
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ノナタワー正面入り口で急ブレーキをかけて車を停車させ、外へと出る。
「当たりだ槙島聖護…!厚生省ノナタワーに何が目的だぁ!?」
凶悪に顔を歪める様に目をやり、内部へと踏み込む。
エントランスに設置された警報システムを探っていた朱ちゃんが、眉を顰める。
「通報装置が遮断されています。」
「おい志恩」との無造作な呼びかけに<そっちはどーお?>という呑気な声が返ってくる。
「これから修羅場だ。公安局から、ノナタワーの監視カメラをチェック出来るか?」
<厚生省は一応上位組織なのよぉ?「出来ないのか?」
<裏口使っていいなら出来るけどぉ。後で責任問題とかになったりしたらやだなぁー。>
「………」
無言でこちらを見下ろした視線が、逸れる。
「やってくれ。」
『まだ何も言ってないんですけど!!』
裏口――要するに、バックドア。
コンピューターのセキュリティや管理権限を、許可なしで通り抜ける穴。
開発段階のテスト用の物だったり、開発者があらかじめ不正に組み込んでおいた物であったり、一種の設計ミスだったりという場合もあるだろうが、どの道ロクでもない非合法のモノに決まっている。
しかし無言のプレッシャーに負け、『分かりました…。責任は、全て私がとらせて頂きます』と半ば以上自棄で言い捨てる。
<今の言葉、記録しちゃったもんねーぇ。Okay、裏口の鍵を使っちゃいましょ。>
「次はギノに連絡だ。常守!」
「は、はいっ。」