#25 裁きの門
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この街で最も巨大な建物――厚生省本部・ノナタワー。
混迷を極める22世紀にあって間違いなく世界の中心であり、そして頂きである日本の象徴。
「このタワー内で特に電力消費が激しいのは…二箇所、ですね。」
有線で接続した職員用パソコンから吸い出した情報を洗っていたグソンの呟きに、机から滴り続けている血液から視線を戻す。
「最上階付近と地下…」
「どっちが本命かな?」
「屋上近辺は電波塔ですからねぇ、そりゃ大量の電力消費も当然ですよ。ところが下の施設は、ここからでさえ詳細が掴めない。」
「案内表示では地下4階までしかないようだが。」
「それがね、設計当初の図面だと地下20階まであるんですよ。コイツは胡散臭い。……あ?」
「どうした?」
携帯端末の小さな窓に打ちし出される一台のパトカーとそれに続く、ドローン達。
思わず胸が高鳴り、顔が自然と緩む。
「もう公安局がこっちに向かってます。」
「きっと狡噛慎也と佐々山光だろう…驚かないよ。」
摩天楼の光に目を細め、振り返る。
「二手に分かれよう。僕が上、君は下だ。」
「いいんですか?この場合、本命は…「二人は、僕を狙って来るだろう。なら、陽動を引き受けるのが合理的だ。チェ・グソン。君の働きに期待してるよ。」
「分かりました、お任せを。」
さて、パーティーもいよいよ大詰めか。