#24 硫黄降る街
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「宜野座さん」と呼びかけた朱ちゃんが、ガクンと揺れた車内でバーを掴んだ。
「首謀者の目的は、厚生省ノナタワーの襲撃です。」
交通量が少ないのを良い事に、アクセルを更に踏み込む。
法定速度を破って車を走らせるには、”人力”しかない。
「暴動は全て囮なんです!」
<馬鹿な!そんな根拠のない憶測で、持ち場を離れるな!こっちは人命がかかってるんだぞ!!>
『でも!監視官も執行官も全て出払った中央区の官庁街はもぬけの殻ですよ!アイツ等の手にかかったら、警備ドローンなんて案山子も同然です!!』
予想通りの返答につい、声を大きくする。
「このまま後手に回っていたら、今度こそ取り返しのつかない事態になります!」
と、通信機の向こうから何かが空を切る音が飛び込み次いで怒声と、爆発音が届く。
『宜野座さん!?』と慌てて呼びかけると、「ああ!」と余裕のない声が返ってきて知らず肩が下がる。
「せめて、私達だけでも!」
<~分かった!まずは君達が先行して、状況を確認しろ。こちらは引き続き各地の鎮圧を続行する。何かあったらすぐ連絡を。>
「はい…!」
通話の終了した回線の向こうに束の間想いを馳せ、閉じていた目を開く。
ノナタワーの輝きを視認した手に知らず力が篭り、じっとりと汗ばむ。
槙島聖護。
「見えてきたぜ…!」
今度こそ、必ず。
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