#24 硫黄降る街
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「どうしたんですか?」
「コイツ等も被害者だ…」という呟きに、視線を戻す。
「確かに。犯罪に巻き込まれなければ、市民の暴徒化なんて…「違う。ヘルメットの方だ。」
「今やったように、時間はかかるがいずれヘルメット着用者は全員狩り殺される。」
『私達がやらなくたって…誰かが、ね。』
背後を振り返った光ちゃんがそう口にして、僅かに目を細める。
その顔を見上げた狡噛さんが膝を伸ばし、「さっきちょっと気になったんだ」と、同じように。
「ネット上のデマが、攻撃的な方向に偏っている。これが槙島の情報操作の一環だとしたら…ヤツ自身か、それともヤツの仲間か…どちらかが凄腕のクラッカーなのはもう分かってる。そうじゃなきゃ出来ない犯罪ばかりだった。今投降してヘルメットを脱いだ連中の顔を見てみろよ。ヘルメットがなけりゃ、なんの犯罪も出来ないクズ共だ。ある意味、槙島の掌の上で踊っていただけさ。」
「ちょい待ち。ってコトは槙島の狙いは…」
『全てが彼の筋書き通りだったと仮定して…今私達がやっている事さえ彼の思う壷だとしたら……』
パトカーに乗り込むなり、ナビゲーションマップを起動させた光ちゃんが滑らかな動きでデータを呼び出す。
『まず優先対象として、鎮圧要請のあった暴動箇所…』
数十箇所の光点がマップ上に表示され、後ろから狡噛さんの声が届く。
「考えられるのは陽動だ。これが全て刑事課の人員を誘き寄せる為だけにあらかじめ暴動が激化するように仕組まれたポイントだとしたら…」
検索条件を打ち込まれる度、浮かび上がっていくサークル。
そしてそこから一番距離の離れたとある一箇所。
「!これは……まさか…!」
赤い光点が明滅するそこは、厚生省本部ビル――ノナタワー。