#24 硫黄降る街
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並足から駆け足へ、ついには猛ダッシュでこちらへと向かってきていた集団の眼前で、光が弾ける。
ヘルメットから火花が散り、何十人かの人間がその場に崩折れる。
「もう一度警告だ!」
ドミネーターを抜いて狙いを定めた狡噛さんから指示が飛び、身を縮めていた朱ちゃんがハッとしてマイクを握りなおした。
「こちらは、厚生省公安局です!これ以上暴力行為を停止しない場合は、ドミネーターを使用します。犯罪係数によっては、命を失う事になります。」
再びの警告を聞きながら車外に出て見ると、完全に動きを止めた集団の中にはヘルメットを装着していない者も紛れている。
その手に握り締められているのは、装着している者と同じ様に血塗れた武器だ。
<繰り返します!腕を頭の上で組んで、地面に伏せなさい!>
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「なんだよ!悪いのは、ヘルメットの連中じゃないか!」
「公安局は、大量に出回ってるヘルメットの方をなんとかしろよ!」
「俺たちは被害者だろ!?」
「るっせーな!それはそれ、これはこれ!」
口々に文句を言う若者達を一括した縢くんが、彼等の拘束を終えて顔を上げる。
「で、どーすんのコイツ等?」
『ドローンに繋いどく。見張り番くらいにはなるでしょ。状況が落ち着いたら、回収する。』
様変わりした街中を歩く広い背中がしゃがんで、ヘルメットを拾い上げる。
『………』
不思議そうに首を傾げた朱ちゃんが一瞬先に、足を踏み出した。