#24 硫黄降る街
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「貴方と一緒に歩くのが危ない橋だって自覚はあった。」
日暮れに包まれゆく街の片隅に一台のバスが停車し、そこから体格の良い男達が降りてくる。
「でも、引き返す気にはなれなかった?」と口にしながら、一緒に運び出された品を見定める。
「だってヘンでしょう?シビュラシステム…あんなワケのわかんないモンに生活の全てを預けて平気な連中の方がどうかしている。俺は外国人ですからね。この国で暮らしていけるだけでも感謝、と言いたいところなんですが、槙島さんの言った通りですよ。当たり前の事を当たり前に出来るように。」
「僕にとっては生まれ育った街だ。切実な問題だよ。」
口角を上げたグソンが振り返り、一列に並んだ男達を見やる。
「コイツ等は、貴方の行う破壊の先を見たがっている連中です。」
「破壊の先…か。」
促されてヘルメットを装着し始めるのを眺めながら目を伏せ、ポケットに手を突っ込む。
「先があれば良し。なければ、それはそれで受け入れる。ネットでの情報操作は?」
「事前に仕掛けたAIがもう活動中です。」
頷いて視線をやった空に、記憶が揺すられる。
深い水底に向かってゆっくりと、沈んでいく世界。
美しいと思うかという自分の問いかけに、はっきりと自分の立ち位置を示した少女の姿が、浮かぶ。
波打つ碧の縁を満たす、光。
死に往く日の風の只中に立って向こう側を見つめる瞳の色はひどく、薄い。
「………」
君に
会いたい。