#24 硫黄降る街
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「目下、首都圏は未曾有の危機に直面している。」
一係――監視官3名・執行官4名。
二係――監視官2名・執行官4名。
三係――監視官2名・執行官4名。
禾生局長をカウントして計20名。
こんな広い空間に集まる必要性があったのかどうか、甚だ疑問だ。
「シビュラシステムの導入依頼、市民の暴動は可能性として廃絶されたものと判断された為、現在の公安局には暴動の鎮圧に備えた人員も装備もない。あまりにも平和が長すぎた。」
大型ホログラムモニタに、次々と事件発生の通報が表示される。
「現在国境警備ドローンの装備を非殺傷兵器に換装する作業が急ピッチで進められているが、現場の状況は一刻を争う。本格的な鎮圧部隊の編成が整うまでの間、諸君等刑事課のメンバーに市民の安全を守る最後の盾となってもらうしかない。」
言葉を切らずに続ける局長の後ろで、モニタが切り替わっていく。
「問題のサイマティックスキャン妨害ヘルメットは、ドミネーターの機能を阻害する。これに対して最も有効なスタンバトンで対処してもらう。相手が大人数の場合は緊急用の電磁パルス・グレネードの使用を許可する。サージ電流によりヘルメットが無力化されれば、従来通りドミネーターによる執行が可能になる。ただし、グレネードの使用についてはくれぐれも慎重に配慮する事。迂闊な場所で電磁パルスを発生させれば、都市機能の麻痺も有り得る。」
この状況で都市機能の麻痺も何もないだろうと思っていると、隣の征陸さんが立ち上がった。
「グレネードの数はどれくらいでしょう。」
「多くはない。ここにいる全員に一人二個ずつで品切れだろう。」
『…少な…』と思わず心の声を外に出すと、六合塚さんに目で窘められた。
「3~4人で1チーム作ってもらう。そしてエリアを分担して後は虱潰しで鎮圧だ。時間はかかるし危険も伴うが、他に方法がない。この街の未来がかかっている。よろしく頼む。」