#24 硫黄降る街
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開いた瞼に、黄みがかった灯りの中で回るファンが映る。
デバイスに浮き上がった時間は、[06:16]。
ささやかな吐息が胸板をくすぐるのに横向いて、肩肘をつく。
邪気のない寝顔を見ながら伸ばした手が煙草の箱を掴んで口に1本銜えるまでは多分、ほとんど癖だ。
狭いソファの上で触れ合った身体から伝わる、温もり。
ごく普通の、きっとよくあるような、珍しくもない風景。
剥きだしの白い肌にシーツを引き上げようとすると、長い睫毛が微かに震えた。
その下から現れた色素の薄い瞳が自分を映した瞬間の感情は多分、絶対に。
こんな、自分でも。
「………」
再びの眠りに落ちていくのを追いかけるように抱き込んだ肢体の滑らかさが、掌に心地良い。
五感の全てが今腕の中にある存在に支配され、支配していた刹那よりも
よほど苦しくて、狂おしい。
宥めるような優しい香りにさえ全てを投げ出してしまう事が出来ないのならせめて、今だけはこの風景の中で
二人で。