#23 甘い毒
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「ヘルメットの攻略法が分かって良かったよね、ホント。」
疲れた笑みを浮かべた朱ちゃんに頷きながら、大きく伸びをする。
『私達にはお手上げ、だったけどね。じゃあ当直、頑張って。』
「ん」と頷いて手を振り、自動ドアの向こうに消えていくのをぼんやりと見ながら、お飾りのハンドルの上に覆い被さるように腕をついた。
と、閉じた筈のドアが再びスライドし、そこから出てきた人物に身体が強張る。
さっさと帰れば良かったと思いながらも、視線を外さずにこちらへと歩いてくるのに仕方なく窓を開ける。
『……何か。』
「そう嫌な顔しなくたっていいだろ」とポケットに手を突っ込んだ狡噛さんのその表情はそう言えば少し、ホランドに似ている。
「話くらい、させてくれないか。」
『……長くなりますか?』
「いや。」
見上げた長身から降ってくる香りを一度目を閉じて、閉め出す。
『どうぞ。』
「謝るつもりはない。」
『…良かった。もしそんな事されたら殺してやろうかと思いました。』
ふっ、と空気が微かに揺らぐのを感じて、伏せていた目を開ける。
「ただ、したかった。それだけだ。」
『……それは……』と多分浮かんでいた荒んだ嘲笑を間違いなく映した、筈なのに。
どうして
そんな目で、私を。
貴方は。