#23 甘い毒
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「おっ、追わないと…!」
とっつあんを追って走り出した光に続こうとする常守を、呼び止める。
「監視官!アンタの犯罪係数は!」
「はぁ…――っ!」
ブゥンという重厚な音と共に向けられた銃口に常日頃は豊かな表情が完全に、硬直した。
<犯罪係数、32。刑事課登録監視官。警告。執行官による反逆行為は――「そういう事か。」
予想と違わぬ審判に、息を吐く。
「…手品の仕掛けが分かったぜ!」
「え、ええ!?」
目を白黒させるのに再びドミネーターを掲げなおし、マンションの外へと走り出る。
すっかり日の暮れた辺りの中を無駄のない走りで行く二つの背中を見ながら、端末に声を張る。
「志恩!この近辺で人がいない区画は!」
<~いきなり何よ!どういうことぉ!?>
「ホシは側にいる人間のサイコ=パスをコピーしてる。あのヘルメット自体が他人のサイマティックスキャンをしてるんだ。」
つまりは、そういう事。
数字を誤魔化すのではなく、スキャナをコピーして表示する。
利に適った、馬鹿馬鹿しい程簡単な手口。
<…そうか…。じゃそのスキャン圏内から人払いをすれば……>
「あのヘルメットはガラクタになる。急げ!」
しかし、なんて足の速い中年と女だ。