#23 甘い毒
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積み上げられたゴミ袋の間に散らばる、ビールの空き缶。
なんとも言い難い臭いの中を、ドミネーターを構えて進む。
「…留守か…」
土足のまま前を行く征陸さんの声の先を行く狡噛さんの手が扉の縁に触れ、一気に引き開けられた瞬間、息を呑んだ。
「「「『!』」」」
安っぽいネオンピンクの灯りに照らされた室内に、隣の光ちゃんが『What the hell…』と呟いて顔を顰める。
「当たりだな…。」
両側の壁じゅうに貼り付けられた藤井博子の写真。
その全ての上に×が奔っている。
更にその奥の二体の、博子の写真を被せられたマネキンの身体にはそれぞれナイフが刺さり、焼け焦げたような後。
奥の壁では、長閑な緑を背景にした博子が微笑んでいる。
「近頃ずっとこういう気分だったんなら、そりゃ部屋の外には出られないわけだ。」
『キモー…。』
なんとなく近寄りかけたカーテンが突然膨らんだかと思うと、ヘルメットで眼前が一杯になった。
「うわあっ」
思わず悲鳴に近い声を上げて飛び退くと、飛び出してきた男がテーブルの足に躓いて盛大に転んだ。
『朱ちゃん!?』
<犯罪係数、32。刑事課登録監視官。>
「!?」
もがくようにして起き上がった伊藤が、駆け出ていく。