#23 甘い毒
夢小説設定
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「…始まった。」
護送車内部に取り付けられたホロモニターに浮かび上がるその光景に、目を眇める。
まるで無声映画の様にひどく現実味の薄い、リアルタイムで流される殺人映像。
「これは…何が起きてる…?」
愕然としてとっつあんが呟き、縢と六合塚は声も出ないといった風だ。
「槙島による犯罪…賭けてもいい。いや…」
言葉を切り、視線を落とす。
「そもそもこの世界における犯罪とは何だ…。」
「コウ。何を考えてる?」
咎めるような口調でなされた質問が右から左に過ぎていくのはどこか、遠くで。
「ただの犯罪じゃない…もっとこう…何かの土台そのものを揺るがすような……」
≪アップロードされてるのは、ごく一般的な動画提供サービスです。≫
前を奔る覆面パトカーとの通信回線が開き、車内の会話が届いてくる。
<だが当然アップする際には厳重な審査が…不適切な動画は自動で削除されるようになっている筈だ。>
≪犯人が何らかの手を打ってるんでしょう……御堂の時も王陵璃花子の時も…彼には相当高度なハッキング技術を持った仲間がいる。≫
常守が息を呑む音さえ、マイクが律儀に拾い上げる。
≪ここまで来るともう軍事レベル…だけど専門の電子戦訓練が受けられるような環境がこの国にあるとも思えない…。だとすれば考えられるのは、私みたいな出戻りの人間かあるいは…<佐々山お前…コレも、ヤツの…槙島聖護の仕業だって言うのか?>
完全に泡を喰ったギノの口調に、空気が微かに
≪こんな事するヤツが他にもいるなんて、考えたくなくないですか?≫
揺れた。