#22 深淵からの招待
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「っおい!」
唐之杜に目を向ける。
「分かってる!」
毟るようにしてその頭から脱がせたヘルメットを放り投げ、細い身体を抱き起こす。
「しっかりしろ!常守監視官!!」
しかし目を見開いた常守が、どこをも見ていないのは明らかだった。
「常守監視官!常守…常守朱!!」
パンッと木霊した音に、常守の上体が大きく揺れる。
そうして初めて、自分がその頬を力一杯打った事に気づいた。
「!すまない…」
「ぎ、宜野座さ…」
「ああ…大丈夫か?」
条件反射だろう、緩みかけたその顔が途端硬直し背けられる。
ボタボタと床を叩く音を追いかけるようにして蹲ったその背にかけた声はあまりに、情けなかった。
「メモリースクープは成功…!早速イメージング処理に取り掛かるわ!」
「彼女のサイコ=パスは!」
「…うん…大丈夫。色相カーブは規定値以内、犯罪係数は……すごいわ…!一度上昇したポイントが、もう回復の兆しを見せている…。」
驚嘆と賞賛を込めた唐之杜の眼差しに、未だ激しくえずく常守を見やる。
「…常守監視官…」
「……ね?平気だったでしょう?」
「…君は…そうまでして…」