#22 深淵からの招待
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その声の大きさと鋭さに驚き、掴んでいた手を引く。
『とやかく言う権利はない!?あるわよ!!あるに決まってるでしょう!?』
裸足で、身体を震わせて叫ぶその顔は本気で、怒っていた。
『友達の心配して何が悪いの!?止めたいと思って何が悪いの!?』
「いや、ごめん。俺…『謝んないで!分かってないくせに…なんにも分かってないくせに、謝んないでよ――っ!!』
息を詰まらせて膝を折るのに慌てて駆け寄り、華奢な肩に手を伸ばす。
「ごめん、光ちゃん。ホント…」
身を捩って逃げようとするのに、眉を下げた時。
「光」
ため息に彩られた低い声に、振り返る。
こちらを見るコウちゃんの目は、光の悪戯かなんなのかいつもと少し、違っていた。
「縢にあたるのは筋違いってモンだろう。お前は、文句を言うべき相手を間違えてる。」
ぐすっ、と鼻を鳴らすのに目を戻して一分近く、その顔を見つめていたと思う。
「…光ちゃん…」
手の甲で目元を拭って俯いてしまったのに懲りずに伸ばした手はでも、今度はちゃんと届いた。
そのことに安堵して指先に僅かばかり力を込めると、『ごめんなさい』と細い声が、耳を打つ。
らしくない、ガキみたいなその口調を笑う気にはとても、なれなくて。
「……俺が、ごめん。悪かったよ。」