#21 Devil's crossroad
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「………」
ピッ、ピッと規則正しい音の響く室内で、椅子に深く、背を預ける。
吐き出した紫煙が、青白く浮かび上がる画面にかかる。
「何を、言おうとしたの?」
「佐々山」と久方ぶりに声を発した弥生に肩越しに微笑んでから、脚を組み替えた。
「…さぁ…」
まるで同調するように同じリズムと速度で変わっていくカーブと係数データに目を細める。
微動だにしなかった広い背中が動き、多分、この上なく慎重にその手が、離れていく。
どんな貌をしているのかなんて、見当もつかない。
でも
「志恩。」
後ろからかかった声にひとつ目を閉じ、もう一度だけ。
もしもカミサマみたいなのが本当に
いるとして。
「うん?」
それの在る処から見える景色はもしかしたら、全部似たようなものなかのかもしれない。
そうだったら良いと
思った。
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