#02 成しうる者
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「つまり、あの場における判断に間違いはなかったと…それが君らの結論か?」
ちらりと横を見てから、手を組んでこちらを見上げる宜野座さんを見返す。
「はい。彼女の犯罪係数上昇は一過性のものでした。事実、保護された後のセラピーも経過は良好で、サイコパスは回復に向かっています。」
先ほどの自分と同じように動いた視線に、隣の光ちゃんが微かに動く。
「狡噛、何か言いたいことは。」
それを不思議に思いつつ肩越しに振り返ると、キーを叩く広い背中が目に入る。
「ない。」
即座に返ってきたのは、短い言葉のみ。
「常守監視官は義務を果たした、それだけだ。」
頭を下げ、自分のデスクに戻る。
私にできること。
私が、すべきこと。
決して同じではないその二つはけど、間違いなく、私がやることだ。
ここで
この場所で。
軽く呼吸して心新たに席につき、隣を見やる。
「……光ちゃん、なんか顔色悪いよ…?」
『え…そう?』
初めて見る引き攣った笑みに、目を、瞬いた。
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