#20 聖者の晩餐
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「ふぅー…」
溜息に、瞼を押し上げる。
「体が重い……自分の身体じゃ、ないみたいだ……」
「弾はまだ抜いてねぇからなぁ」と捲っていた袖を下ろしたとっつあんに目だけを動かす。
「俺がおっかなびっくりやって、太い血管を傷つけたら本当に致命傷だ。搬送後、プロにやってもらえ。」
「常守監視官は…どこに…それに…佐々山が……」
「こっちが聞きてぇよ。突っ走っていった…誰かを追っていったみたいだ。それに、光ちゃんだと?どういうこった、一緒だったのか?」
ごめんね――
視線を感じて目を開け「…いや」と言葉を濁す。
「……まぁいい。お前の応急処置が終わったから、俺も今すぐ譲ちゃんらを追いかける。」
「俺も行く「お前はアホか。」
「だが――ぅがっ」
身を起こそうとする内両頬を掴まれ、真正面から、一発。
強烈な頭突きに思わず身を捩り、悶絶する。
「~っ」
「悪ィな、重症だってのに。でもな、これ以上時間のムダは嫌なんだよ。お前がこんなんなるんだ…はっきり言って、譲ちゃんらもかなりヤバイ。」
「征陸執行官!」
「それとなコウ。いい加減ちゃんと、名前で呼んでやれ。お前と光留の事情はあの娘にゃ何の関係もない。なくて、いいんだ。」
三人分の足音が響いてくるのに混じって、とっつあんが踵を返すのが聞こえた。
「監視官!狡噛が動かないように押さえつけといてくれ!!」
何も今、言わなくったっていいだろうに。