#20 聖者の晩餐
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「訓練だけは、何度も…でも…実際にやった事はなくて……」
完全に腰の引けているのを見てとり、身を翻す。
「なら、俺に任せとけ。」
装備運搬用ドローンの貨物スペースから、応急処置キットを取り出す。
「……る……」
「え?」
「もう一人いる…お前のダチを…連れてった…」
何事か呟くコウの声を耳にしながら、振り返る。
「退いてろ嬢ちゃん。とにかく血を止めなきゃあ……あ゛!?」
坂の上へ向かって突如駆け出した背中に目を見開き、叫ぶ。
「何考えてんだ!監視官!!」
「まだ事件が終わってないんです!!」
悲鳴のような返答を残して駆けていくのに、足元に倒れているコウを見やる。
「――くそっ」
跪いてもう一度だけやった目に映る、小さく鮮烈な、赤。
「………」
細かな点綴が頼りな気な軌跡を描いて上へと、続いていた。
「……佐、々山……」