#20 聖者の晩餐
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「――佐々山ちゃん!」
必死に抵抗し、緊縛された左腕を引くゆきちゃんに向かって踏み出した視界が揺れる。
『……ゆき…ちゃ…』
膝を打ち付けた痛みが、鈍い。
どろりとした感触が頬を這い、顎を伝う。
「その傷でよく動くもんだ。もっとも」
苦笑混じりのその声が
途切れて
無機質な匂いがすぐ近くで、香る。
「あんなところから片腕で飛び降りて、それで済んでいる時点でどうかしているけどね。」
顔に触れた冷たい指先が患部を圧迫し、やがて離れる。
また。
途切れた映像の中に立つ彼は、さっきと同じところでこちらを見ていた。
「狡噛慎也。君とも語り明かしたいのはやまやまだが、今は具合が悪そうだ。」
「止めて、狡噛さん――っ佐々山ちゃん!」
「いずれまた会おう。」
――ふざけんじゃ、ないわよ。
足元に転がっているドミネーターが、青白く光ってその存在を、主張する。
<ユーザー認証。佐々山光監視官。適正ユーザーです。使用権を、譲渡します。>
「……佐、々山……?」
擦れた声の主を、見下ろした。