#20 聖者の晩餐
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「…すごい。」
体の後ろ半分が吹き飛んだ泉宮寺を見下ろしていた船原が、振り返る。
「やったよ、アタシ達勝ったよ!」
立ち上がろうと膝を立てるが、いざ上半身を起こそうとした瞬間全身が重力に引かれた。
「っぐ」
手の内から無くなったドミネーターを拾おうと、腕に力を込める。
しかし伸ばした手は空を切り、さっきまで見えていたところとはまるで違うところにそのシルエットが見えた。
どうやら血を、流しすぎたらしい。
「……っう゛……」
パタパタと軽い足音が聞こえ、暖かな手が指先を包み込む。
「…スマン。無茶をさせたな。ここを出たら、すぐにセラピーを受けろ…アンタは、見るべきじゃないものを…見すぎちまってる…。」
「いいよ。狡噛さん、素敵だったもん。アタシも、潜在犯になっちゃいたいぐらいだよ。」
明るく笑う船原に、眉を顰める。
「馬鹿を……」
言うな、と言おうとした視界がぐるりと回る。
数秒、数分の闇が霞んで束の間、晴れる。
「――止めて、離してぇっ」
抵抗して叫ぶ船原の隣に立つ白い、影。
琥珀色の瞳がこちらを映して、微笑む。
『ゆきちゃんを、離しなさい。』