#20 聖者の晩餐
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漏れ出る笑いを、堪える事が出来ない。
足元に真新しい血だまりを発見して観察し、再び歩き出す。
戦場の喧騒
爆音と銃、飛び交う怒号。
この狩猟場で撃ち殺してきた、幾多の獲物達の悲鳴。
全て、幻聴だ。
「!」
耳障りな音の方へと目をやると、角度のついた坂を錆びたドラム缶が転がり落ちてくる。
膝をついて姿勢を低くすると、その方向へと続く赤い点綴が見えた。
「…チェックメイトが近いぞ、執行官。」
残った右腕でバランスを取りながら、慎重に坂を上っていく。
並んだドラム缶の隙間に潜む生き物の気配を感じて目を凝らし、銃を構える。
が
「!?」
そこにいたのはあの執行官ではなく、餌役の女だった。
愕然として知らず後ずさった耳に、横合いから電子音声が飛び込む。
<犯罪係数、328。>
倒れたドラム缶の中からこちらに、照準を絞っているのは。
<執行対象です。>
何を考えるより先、視界が青白く染まる。
後には何も、残らなかった。