#20 聖者の晩餐
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「4年…いや、5年前かな扇島で会ったことを?…あの時君はまだ――」
響いた銃声に言葉を切り、その方向を見やる。
どうやらチェックが、近いようだ。
『……私が選んだの……』
ポツリと浮き上がった声に、視線を戻す。
力無く俯いたその表情は長い髪に隠れて、見えない。
「…選んだ…」
知らず繰り返したその言葉が微かに弾んだのを、自覚しないわけにはいかなかった。
『…人間は……自由であり、常に自分自身の選択によって行動すべきものである…』
「……この街にパスカルを読む人がいるなんて……だったかな?」
『…私が、選んだのよ…』
うわ言の様に紡がれる声はだが、震えを伴うような温度を連れている。
『私が、選んだ……Lv.8に降りることも、statesで学ぶことも、この街に戻ることも…監視官になることも……全部。私が、選んだ。』
色素の薄い瞳が、真正面からこちらを見つめる。
美しく、眩しく
憎悪と殺意でヒトは
『……アンタを――殺す為に!!』
ここまで。
飛び出してくるその左腕がだらりと垂れ下がっているのに苦笑し、先程奪ったナイフを逆手に持ち帰る。
まるで
怪物だ。