#20 聖者の晩餐
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「常守監視官は征陸を連れて狡噛を捜せ。」
存在しない筈の地下トンネルには重苦しい闇が立ち込めている。
ともすれば呼吸さえ、圧迫感を覚えて滞るほどに。
「俺と縢、六合塚は手分けして妨害電波の発信源を探し出し、潰す。」
「はい…!」
征陸と共に踵を返して駆け出すのを見送り、自身も足を踏み出す。
「正直、何がなんだかさっぱりだ。強力なジャミングに、記録にない地下空間、狡噛からの応援要請…。」
「ただごとじゃないのは間違いないっスよ。」
言葉を切った縢が、いつになく神妙に同意を示した。
「お前もそう思うか。」
「…コウちゃんのあんな声、初めて聞きました。マジで切羽詰ってた。」
「佐々山…監視官は一体、どこに…こんな時だっていうのに……」
「近くにいるよ、多分ね。っつーか、いる。90%。」
「賭けてもいいよ」と、その言葉とは裏腹に呟くようにそう口にするのに歩みを止めずに、瞑目する。
止めてくれ
「……敵の狙いは?狡噛?それとも……でも、何故?」
「さぁね。どっちにしろ、とんでもなくヤバイ奴だってのは間違いない。」
本当に。
ドローンと有線接続したドミネーターの銃杷を知らず、握り締める。
「……急ぐぞ。」