#19 メトセラの遊戯
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「…さて、狡噛慎也…」
暗視機能付きの双眼鏡を目から離し、歪な明りで満ちた階下を見やる。
「君はこの問いの意味を、理解してくれるかな?」
『な』
呼吸をしただけで骨が軋む筈だ。
首に張りついた細い髪を伝った汗が、鉄条網を通って遥か下へと、伝い落ちていく。
『…にを…』
恐らく肋骨も折れているかもしれない。
咄嗟にそれだけの反応をしていなければ、[今]はなかった。
ゾクゾクするような感覚はでもどこか、穏やかな安寧に浸されてもいて
「君と」
心地が良い。
「話がしたいんだ。」
猫科の動物を思わせるしなやかな身体が腕の中で、強張る。
ああ
「―――――」
君は
紡いだ名に見開かれる、碧の縁の輝き。
「君は彼の、妹だそうだね。」
とても美しい。
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