#02 成しうる者
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「あれ、光ちゃん?」
やや裏返った声に、手を上げて頭を下げるという何とも中途半端な挨拶をする。
『どうも。』
「うっわ、何々~?昨日と雰囲気違うから誰かと思ったし~。」
眉尻を下げて近寄ってくるのに、さり気無く身を引く。
「あれ、でも今日非番じゃなかった?」
『縢くんは明番だよね?』
問いに問いで返すと、一拍挟んで笑い声が響いた。
「オレら執行官は囚われの身よ?オフっつっても宿舎と刑事課フロアの他に行き場所なんかねーの。」
『それは、つまらないね?』
「…ハハッ、まーそりゃ、ねぇ…。」
乾いた笑みと共に逸らされた瞳の端に仄かな苛立ちが浮かぶのを見ながら、鞄を探る。
『良かったら、どうぞ。』
「…………何、コレ。」
差し出した物に落とされた目が、こちらを向く。
『ドラ○モン、のび太の宇宙開拓史。』
もう一往復して返ってきた視線に、瞬く。
『見たことあった?』
「いや、ない…けど……。」
『じゃあ、どうぞ。』
眉間に皺を寄せて手の中のDVDを凝視していた縢くんが、そのままの表情で顔を上げる。
「………どうも。」
『うん。』