#19 メトセラの遊戯
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足の向かうままに駆け込んだ所で息を整えるべく、膝を折る。
「今…今人がいた…っ」
「ああ、これで趣旨が見えた。奴らキツネ狩りを楽しむ気だ。」
「か、狩り?」
「ドローンは猟犬役だ。怯えて逃げた獲物をプレーヤーが仕留める…俺達は哀れなキツネ役ってわけさ。」
提示した事実に、船原が呼吸を震わせるのが分かった。
「慌てるな、怖がるな。慎重に逃げ道を探すんだ……焦れば焦る程敵の思うツボだ。」
「さっき拾ったバックは。」
「…これ?」と言い終わらない内からバックを手に取り、チャックを開ける。
「何?」
「携帯トランスポンドだな…これなら電波妨害の中でも、通信できる。」
「たっ、助けが呼べるの!?」
希望に満ちた声に出来るなら応えてやりたかったが。
「残念ながらバッテリーと、それにアンテナ素子が無い。――!」
頭上から聞こえてきた唸り声に船原の頭を抑え、顔を下げる。
「ヤツらの注意を逸らす。アンタはここに隠れてろ。」
「どうするつもり?」
「猟犬が2匹じゃ勝ち目は薄い。せめて片方だけでも
排水溝の縁に手をかけ、懸垂の要領で体を引き上げる。
潰さないと囲まれてお終いだ。」