#19 メトセラの遊戯
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表情を凍りつかせた船原の視線を追って見えたものに、顔を顰める。
朧な明かりに照らし出された禍々しい、動物を狩るにしては大きすぎる鉄の顎。
ここの狩人にとっては人間も獲物だということか。
あるいは人間が、か。
直進を止めて右に折れたところで、膝を曲げる。
辿ったある箇所で視線を上にずらし、思わず息を吐いた。
「……罠までアナクロだな。いい趣味してるぜ……」
「あ、待って。さっきの床のちょっと右の方…」
その方向に向けたライトに浮かび上がる、ドラム缶の、その上。
「さっきと同じバックだよ!」
「よせ!!」
嬉しそうに駆け寄った船原が、それを手に取った瞬間。
「…なに、この音…」
脇に開いた道に目をやると、真っ直ぐにこちらに駆けてくる三つ目が闇に浮かび上がる。
「――ちっ!」
バックを抱えた船原に手を伸ばし、駆け出す。
開けた十字路に身体を飛び込ませようとした刹那視界の隅に浮いた影を捉え、右へ。
直後轟いた銃声と共に顔のすぐ横の壁が、弾け飛ぶ。
間髪入れず響いた二発目を追いかけるように響いた、薬莢の吐き出される音。
次いで、次弾の装填音。
出かけた舌打ちを呑み込み、地を蹴った。