#19 メトセラの遊戯
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「デカっていうのはどういう仕事なのか、直感的に理解している。世の中に本当に必要なのは…ああいうタイプだと思う。」
この世界のために、必要な存在。
この、綺麗で、どこか優しくぼやけた感じのする少し、淋しい世界に。
そんなおかしな思いつきに、思わず顔が緩んだ。
「学生の頃から不思議な子だったよ。どんなもめごとも、朱が間に入ると解決しちゃうの。サイコパス色相がいつも最高にクリアなのって、きっとああいうタイプばかりなのかな…。」
そこまで口にしてふと思い出し、前を行く背中に向かって続ける。
「佐々山ちゃんも、そんな感じ?」
「…アンタ、佐々山とも?」
急に足を止めて振り返った顔に浮かんだ表情は、なんだか、笑えた。
きょとんとしていた刑事がややあって、再び歩き出す。
「一度会っただけだけどね。あ、もしかして朱を振り回してる部下って貴方のこと?」
「俺のことをそういう風に言ってたのか。アイツは…?」
やや不満げな口調でまた、ポキリとライトを追ったその腕が無造作に振りかぶられる。
「…佐々山ちゃんもね。」
「何?」
力いっぱい投げられたケミカルライトの行方を見守ってからずらした視線が、ぶつかる。
「多分、朱には貴方たち二人共、すごく理解し難いと思うよ。」
「……心外だと言いたいところだが」
薄い唇がすごく分かりにくく、でもちゃんと、解れるのが見えた。
「そうなんだろうな、きっと。」