#19 メトセラの遊戯
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ライトに照らし出される白い道の隅に置かれた、ドラム缶。
近づいてジッパーに手をかけ、中身を改める。
「それは…?」
右手に持っていた懐中電灯のスイッチを切り、代わりに手にしたものをポキリと折る。
「ケミカルライトだ。」
青白く発光したそれを前へと放り、鞄を肩にかける。
「普通のライトの方が良くない?」
「光源を手に持っていたら、闇の中では格好の的だ。それに一度通った道の目印にもなる。」
さらに次の一本を点灯させ、再び前方へ。
「…朱って、こんな危険な仕事を?」
ライトが宙を横切る僅かの間だけ照らし出される周囲の状況を、目に焼きつける。
「ここ最近は特にひどいな。」
「…もっと、真剣に相談に乗ってあげれば良かった…」
この状況で他人を気にかけているその物言いに、知らず口元が緩む。
「公安局の人間だ、仕事の詳細は民間人には話せない。」
常守朱とはつまり、こういう人間なのだ。
「職場では上手くやってる?」
「アイツは…」
その問いに思考を巡らせる必要は無い。
「信念を持ってる。」