#19 メトセラの遊戯
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「ここまでは予定通り。」
楕円型に切り取られた白の中で揺らめいた影が、暗転した。
真っ逆さまに落ちていくような感覚に必死に食い下がった報いは、頭部に奔った痛み。
「向こうも、飲み込みが早いようだねぇ。」
笑みを含んだ声を聞きながらの何秒間かで意識が覚醒へと向かい、思考が回復してくる。
朧な明かりに照らし出される周囲に目を凝らすと、金属の錆びた匂いが鼻をついた。
たまたま上向いた視線の先、どうやら吹き抜けらしい天井の底は暗く、全く見えない。
「獲物が賢いほど、狩りも楽しくなる……。」
低い声で話しているのは、老人だろうか。
しかしスッとした佇まいと均整のとれた後姿はまるで、壮年の若者のようだ。
そして――
「いいですねぇ…客席からも観戦しがいのあるゲームになりそうだ。」
その隣に立っているもう一人を確認した瞬間
「君も、たまには狩りに参加してみてはどうかね?」
世界が、動きを止めた。
「僕は、ここで起こる出来事そのものに興味があるのでね…。第三者の視点で観察するのが一番です。それに」
最小限の動きで体ごと振り返った人物から目が、離せない。
「僕は、彼女の相手をしなければ。」
男性のそれとは思えない程に柔和な微笑みが視線の先で完成に向かって、ゆっくりと
「さぁ、話をしよう。」
ゆっくりと、深まっていく。
「あの時の続きを。」