#19 メトセラの遊戯
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ブレーキが降り、ライトが落ちる。
「止まったの……?」
「降りろ、って意味かな。」
開いたドアを見やり、足を踏み出す。
「どこよここ……」
「電波妨害だな…どうあっても俺達を孤立させたいらしい。」
起動させたデバイスが何の役にも立たない事は、これ以上ない程明らかだった。
息を吐いたその向こうで、中途半端に開いた扉。
「ここへ入れってことなの?」
借してやったコートの前を掻き合せて呟いた船原ゆきに、肩をすくめる。
「言いなりになるのは癪だがな。」
直後響いた、何か四足の生き物が地を蹴る音。
「どうやら、選択の余地は無いらしい。」
線路の奥で光る、明らかに数の多い赤い眼。
「ひっ――」
喉を鳴らした船原ゆきを、背後のドアに押し込む。
狭まる視界を塞ぐ赤黒い躯がギリギリで閉ざされ、バンッと重量のある音が響く。
「ついて来い!」
身を翻し、階段を駆け下りる。
と、吐き出されていた呼吸が唐突に前からの風に押さえられ、顔に手を翳す。
「……何だ…ここは……?」